たとえば僕が
今朝、店で作業をしながら延々と流していた曲。
"たとえばぼくが死んだら"
森田童子さんが亡くなられていたそうですね。
店主が生まれた頃にはすでにツチノコのようなものというか、幻のような方だったので、ご存命かどうかすらあまり気にしたことがありませんでした。正直。
不安定さに安らぎを内包した、弱く優しい消え入るような声。
最も有名な曲は"ぼくたちの失敗"でしょうか。
店主は、"たとえばぼくが死んだら"が一番好きです。
不思議な歌です。かつて、僕はこの歌に勇気づけられました。
自分が何者かだと思っていたけれど、
どうやら自分が何者でもないと分かった頃、
この曲がスッと身体に入っていく感覚がありました。
"たとえばぼくが死んだら、そっと忘れてほしい"
自分が何者でもないことを受け入れ、認め、生きていく。その心得。
タイトルとは裏腹に、普通の人として"生きていく"ための処方箋のようだと感じました。
そして"その時"が来たならば、
家族に少し悲しんでもらって、しばらくしたら忘れてもらって、ジーンズでもふと目に入ったなら、「あ、父ちゃん、ジーンズ好きだったな」って。
欲があるとすれば、それくらいです。
さて、今日も喫茶店らしくない投稿でしたね。
そっと忘れてください。
森田童子はもはや多くの人にとっての「何者か」でしょう。
そっと忘れることは、ちょっとできません。
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