時間軸
小さなサボテンと、勢いを取り戻した夏。
キリッとした浅やきのアイスコーヒーが美味しい。
オープンから2ヶ月と少し経ちました。
暗中模索の手探り状態ではあるものの、ふと、もう5年くらい経ったような不思議な思いも。錯覚です。
ありがたいことに、何度も何度も足を運んで下さるお客さまもいらっしゃいます。
いつもタテっていただき本当にありがとうございます。
お客さまにくつろいでいただくことが第一ではあるけれど、何より店主が楽しませていただいております。
ただ、ふと自分の感覚に疑問符がつくことも。
先日、オープン直後から何度か当店をご利用いただいているお客さまが、一ヶ月ぶりにご来店くださいました。
そのとき、まず咄嗟に出た僕の言葉は、
「あ、お久しぶりです!」でした。
お客さまが帰られた後に、僕は深く考え込んでしまいました。
「お久しぶりです」の距離について。
「一ヶ月ぶり」って「久しぶり」なのか?
オープン直後から何度か来ていただいたことで、「このお客さまは来て当然」みたいな思いは無かったか?
うまくは書けないけれど、そんなことを。
お客さまにとって、一ヶ月に一度行くお店は「よく行く店」だと思うんです。
それを「お久しぶりです」はないだろう、と。
僕自身、以前住んでいた街に一週間に何度か通う店がありました。
でも、一ヶ月行かなかったとしても、僕はさほど気にしなかった。
うっすらと「最近行ってないなー」と、頭の片隅に浮かぶ程度。
考えたのは、時間軸の違い。
店主である僕は、寝ても覚めてもタテイト珈琲店のことを考えます。
そして営業時間中は、自分で自分を店内に軟禁している状態。
「待ち」の仕事。
悠久とも言える時間をタテイト珈琲店とともに過ごしています。
でも、お客さまがタテイト珈琲店について何かを思う時間って、ほぼゼロでしょうし、あったとしてもInstagramで投稿をご覧いただく数十秒程度。
そのお客さまは優しい方で、
「行こう行こうと思ってたんだけどなかなか寄れなくてねー」と仰ってくださいましたが、僕はなんて失礼なことを言ったんだと、後からふつふつと。
店でお客さまを待つ僕の「お久しぶりです」は、嘘偽りの無い思いではあります。
でも、僕の「お久しぶりです」の時間軸は、お客さまの「久しぶり」とは間違いなく異なるもの。
それをしっかりふまえて、一回一回のご来店にもっと感謝しようと強く思った出来事でした。
ただ、人間の咄嗟の一言はコントロールし難いもの。
もし、それでも僕が「あ、お久しぶりです!」と言ったなら、
「はは〜ん、コイツ、よっぽど私を待ち焦がれていやがったな」
と思ってやってください。
週も後半。
今夜もコーヒーを淹れながら、皆さまを待ち焦がれています。
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