使命感とか想像力とか


タテイト珈琲店にとって大切な、コーヒーの残り香。
コーヒー以外の香りは取り込みたくないのですが、今日はお香を一本だけ焚きました。
心が落ち着かないのです。


昨日の台風で、郷里が甚大な被害を受けました。
屋根が飛び、自動車は横転し、電柱がなぎ倒される。
信じ難い光景です。


今年の度重なる災害は、自分と家族の命を守ることで精一杯。
決して大袈裟な表現ではないと思います。
でも、こんな状況だからこそ、こんな時だからこそ、家族の安否すらも一旦思念の外に捨て置いて仕事をしなければならない方々も。


大規模かつ長時間の停電。復旧は順に粛々と進められるでしょうが、まだ時間はかかるようですね。
作業員の方々もまた同時に被災者かもしれない。
その使命感には本当に頭が下がります。


"減災"という言葉を思い出しました。
鉄道各社が早々に運休を決め、交通網を意図的に「麻痺させた」ことで、多くの二次災害を未然に防いだのではと思わずにいられません。
電車が動かないという不可抗力ができることで、多くの人が電車のせいにできる。
鉄道各社が社会の汚れ役を買って出てくれたのだと思っています。

飛来物との衝突や電線のショート、もしかすると強風による脱線も起こり得たかもしれない。
何より、大量の帰宅難民が生まれ、熱中症も多発したかもしれない。
死傷者が出たことは痛ましいですが、それでも減災されたのでは。


ただ、もちろん逆のことを思う方もいます。
とあるコメンテーターはテレビで「電車を動かすべきだ」と発言していましたし、
今朝、飛来物の確認作業でJRが運転を見合わせている際に、駅員に怒鳴り散らす年輩の男性もいました。
友人は「JRは台風前に早々に運休を決めたけれど、だからといって職員は仕事を休んでいるわけではない。なのに、JRは弱腰だの文句を言う上司がいる」と嘆いていました。


色んな意見がある、色んな意見があって然るべきという前提の下に敢えて言いますが、僕はJRの判断は賢明だと思うし、非難する方々は想像力が欠如していると思う。
こんなことを書くと気分を害される方もいるかもしれません。
でも、申し訳ないけどそう思います。
嘘偽りない気持ちです。


僕自身、余裕を失くすと視野狭窄になりがちですが、少しの想像力はなんとか働かせたい。
今、この瞬間、誰がどんな風に何を支えてくれているのか。

ただ、全てを理解することは不可能だしキリがない。
それこそ、ポール・マッカートニーが「HEY JUDE」の中で歌ったように、「この世の全てを背負いこむ必要なんてない」のだと思います。

自分にとっての「身近」まで、少しでも想像力を働かせられれば。
思いやりや優しさは、その力に比例するのでは。
なんとなく、そんなことを感じた今年の災害でした。


勝手なことをつらつら書きました。
いやー、ダメですね。
ブログにはもっと中立でふわっとしたことを書かないと。
ほんとダメです。直情的なので。
明日にはこのポスト、消しているかもしれません。

皆さま、引き続きどうぞご安全に。

タテイト珈琲店

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