傘がない
いつもなら、「北海道かぁ、被害が大きくならなければいいなぁ」という程度にしか思わない、遠い遠い大地。
今回ばかりは、呻き声のような声が出ました。
勝手に、本当に勝手に、「今年の大災害はこの台風で終わりだ」と高を括っていました。
願望も込めて。
日常の有り難さをひしひしと感じます。
同時に、日常が有ることが難しいということもよく分かりました。
身に染みて分かったつもりですが、災害続きの今年も、僕の生活は日常の範疇を超えてはいません。有り難いことに。
考えたくはないけれど、諸行無常。
いつか僕自身が日常を享受できなくなる日が突然やってくるのでしょう。
でも、それは杞憂。
備えだけ怠らず、あとは考えても仕方のないこと。
日常を生きていることは当たり前ではなく、可能性の高い偶然にすぎない。
プリンとチーズケーキを作り、コーヒーを淹れ、お客さまとお喋りをし、適当な写真を撮り、駄文を連ね、定休日には家族と過ごす。
ある意味退屈なこの毎日が続くことを祈るばかり。
それでも僕の心情は、井上陽水の「傘がない」に似ている。
結局、僕の最大の関心事は、今日の売上だったりするのです。
ボブ・ディランの物憂げな表情が、今日の僕にはとても優しい。
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