揺り戻し

久しぶりに、エアコンを点けなかった一日。
今日は9月11日。
忘れもしない、これまでの人生で最もショッキングな映像。アメリカ同時多発テロ。
あの日を境に、伸びきったグローバリズムが弾け、世界がナショナリズムに舵を切ったように思います。
ただ、それ自体は歴史の「揺らぎ」や「揺り戻し」の一部。
何事も無かったかのように歩む世界の方が不健全だと思います。
その判断が良かったのか悪かったのかは、いずれ歴史が評価するのかなと思います。
あの事件以降、「正義」とは何かという議論が闊達になった気がします。
それぞれにそれぞれの正義がある。分かりきったことです。
頭では分かっていても、実際目の当たりにするとどうでしょう。
当店のお客さまに、世界中を旅されている方がいらっしゃいます。
もちろん、イスラム圏も。
そこで見る、「過激派」と呼ばれる人たち。
家に帰れば、「家族思いのただのお父さん」。
いろんな国の、多種多様な見聞録。
いつも、本当に貴重な話を聞かせていただいてます。
答えはなく、想いは遥かに。
1.17、9.11、3.11。
大災害や大事件をこのように記号化することが大嫌いです。
記号化すると、命の重さも軽さも感じられなくなる。
何万人もの命を奪った一つの出来事ではなく、
一つの命を奪った出来事が何万件もあった。
そう考えないと、「犠牲者の少なかった阪神淡路大震災の方が、東日本大震災よりマシ」なんて結論になりかねないし、そんなことがあってはならない。
全て、ビートたけしの受け売りですが。
さて、ごちゃごちゃ言いましたが、僕はアラブで生まれ世界に広がったコーヒーを、今日もせっせと淹れる一日でした。

タテイト珈琲店

Who can tell your story?