僕にはわからない
空が高く、秋らしい。
うろこ雲が出ていました。天気は下り坂ではあるけれど、こんな日があることが嬉しい。
昨日一昨日と2日続けて本の紹介をしましたので、どうせなら今週は当店にある本にまつわることをつらつらと。秋ですから。
中島らも。
この人は何者だったのか。
僕にはわからない。
小説家なのか、コラムニストなのか、コピーライターなのか、そのどれでもないのか。僕にはわからない。
確かなのは、神戸や大阪の酒場で市井の人々に愛された稀代の変人、ということでしょうか。
もう亡くなって15年近くになりますか。
不謹慎ですが、亡くなり方が好きです。
あれだけお酒が好きだった方。
酔っ払って階段から転んで死亡なんて、漫画です。出来過ぎです。見事に酒に呑まれた。
よく、役者が「舞台上で死にたい」なんて言いますが、それに近い亡くなり方だと思います。
重ね重ね不謹慎なことを言いますが。
軽妙な言い回しで洒落も皮肉も利いている。
コーヒーのお供には、このコラム集「僕にはわからない」がオススメです。
本当は「今夜、すべてのバーで」という、自身のアルコール中毒体験を元にした小説が最高に面白いと思うのですが、昔、誰かに貸したまま返ってきません。
返したくないくらい面白い小説だから仕方ない。
他には、「ガダラの豚」全3巻がございます。
これは少々肩が凝ります。
中島らもが愛したお酒は当店にはございませんが、オリジナルブレンド・タテイトはどこか重厚なブランデーのようにも思えます。
是非ご一緒にどうぞ。
"僕にはわからない"
良い言葉です。
知ったかぶったり、分かったようなことを言うのは僕の悪い癖。良い戒めの言葉が見つかりました。
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