世界の見え方

そわそわと、ため息と。
来るものは来るんだから、自分にできる対策をして、あとは過ぎ去るのを待つしかないですね。
台風の話です。狂おしいほど気になる。
たぶん僕は、加古川で二番目くらいに気にしている人間だと思います。


マルク・シャガール。
絵画は好きですが素養も教養も無いので、表現する言葉を持ち合わせていません。
好きか、好きでないかでしか語れない。
そして、シャガールは大好きです。


そういえば、シャガールを初めて知ったのも「ちびまる子ちゃん」でした。
花輪くんの家に遊びに行くと、シャガールの絵が飾られていて、シャガール好きのまる子が驚くシーン。
一般家庭にシャガールがあることも、小学3年生がシャガールを知っているということも、今思えばなかなか凄い設定ですが、
まる子がシャガールを好きな理由がとても印象的でした。

シャガールの絵って、顔色の悪い人間、牛や羊といった動物がひっくり帰りながら宙に漂っていたりするのですが、
まる子がそれを「シャガールの目には世界がこう見えているのかな」とキラキラした表情で語っているシーン。
さくらももこが僕にこの視点を与えてくれなければ、僕にとってシャガールの絵はただの「気味の悪い絵」です。


世界がどう見えているか。
自分以外の人に世界がどう見えているのか、知る由も無い。
たぶん、同じように見えているんでしょうけど。
でも、僕にとっての「赤」が他人にとっての「緑」かもしれない。
そんなことを言い出したらキリがありませんが、赤いきつねと緑のたぬきが逆転するのは由々しき問題。


ヘレン・ケラーは色というものが分かっていたそうです。
赤にも、スカーレットやクリムゾンといった微妙な違いや濃淡があることも。
それは、本人が経験によって獲得したものではなく、曰く「人間という動物が発生して以来、脈々と受け継がれてきた生物としての記憶」であると。
確かに、遺伝子レベルで受け継がれるものがないと、本能的に安全か危険かの判断もままならないように思います。
かと言ってそれは、「僕と他人の見ている赤は同じだ」という証明にはならないのですが。


こんがらがってきました。もうどうでもいいや。
とりあえず、シャガールに見えていた世界は、人も動物も顔色が悪いって話。

タテイト珈琲店

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