ある絵

空は高く、澄み渡った空気が冷気と暖気を織り交ぜて。
喉に少しの乾燥を覚えるほど、カラッと。
こんなに気持ちの良い天気、一年に何回あるのか。
明日明後日の天候を考えると深い深いため息が出ますが、こっくりとしたコーヒーで気持ちを鎮めて。


数日前から、絵を追加で一つ飾り始めました。
小さな絵ですが、今にも飛び出しそうな色彩。

植松京子さんの、"たぶんアッチ"という絵。

当店の顔の一つである寺脇さやかさんの作品が「夜と雨音の似合う絵」ならば、植松京子さんのこの作品は「昼と陽射しが似合う絵」のように感じます。


関東を拠点としながら、海外でも活躍されている植松さん。
関西に来られることは滅多にないようですが、もう2年近く前に大阪で個展を開かれたことがありました。

その際に運良くお会いでき、この絵をお迎えしたのですが、植松さん、作品同様にカラフルな方でした。
心情・感情がカラフルでパワフル。
Instagramからも、喜怒哀楽を通して体温を感じられます。
表現がストレートすぎてハラハラすることもありますが。
ちなみに、勧誘系コメントへの攻撃は、この方が元ネタです。パクりであることをここで白状しておきます。


外から見ると、限りない自由が広がっているようにも思えるアートの世界。
ですが、何人かの知り合いは、口を揃えて「閉鎖的な世界」だと言います。

どこの美大出身か、誰に師事したか。それが作家としてのキャリアを完全に支配するという話も聞いたことがあります。

どの世界にも派閥や学閥、同郷のよしみといったしがらみのようなものはあると思うし、それが全て悪だとは思わない。
でも、自由を謳う芸術の世界で、ややもすると一般社会よりそうした縛りが強いのであれば驚きです。

もちろん実体験ではないので迂闊なことは言えないし、単にイメージとのギャップが激しいというだけのことかもしれない。

Instagramを拝見する限り、植松さんもそうした辛さを感じられているようにお見受けしますが、同時に、そうした閉塞感に自力で風穴を開けようとする力も伝わってきます。


是非、実物をご覧になって下さい。
凹凸や立体感、何より作品の持つ熱量は、写真では伝えられません。

タテイト珈琲店

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