何が出るかな
木曜日の気怠さと、それとは正反対の軽やかな空気。
今から2,000年近く昔、ヴェスヴィオ火山の噴火により一夜にして火山灰に埋もれ壊滅した、"快楽の街"ポンペイ。
あまりにも一瞬の出来事で、街で暮らす人々がそのまま保存されてしまった、なんとも言い難い遺跡です。
凄惨な天災ですが、"当時の暮らしぶりをくっきりと現代に遺してくれた"という、薄ら寒い感謝。それが嘘偽りのない気持ちです。
ポンペイのガイドブックを眺めていると、
先日、宮内庁と堺市が合同で仁徳天皇陵の発掘調査を行うことが発表されたことが頭をよぎりました。
おそらく太古の昔に盗掘されているでしょうから、埋葬品などはあまり出てこない気もしますが、胸が躍ります。
以前、仁徳天皇陵にほど近い地域で勤務していたことがあります。
夜、近くを通ると、「グワァッ!グワァッ!」とこの世の終わりのような声で鳥が鳴いていました。
鳴くというより、"啼く"とか"哭く"とか、そんな感じ。
嘘か真か、「あそこは手付かずだから、独自の生態系があるからね」なんて冗談っぽく仰る方もいました。
宮内庁の管轄下にあり、発掘調査が行われるのは極めて稀な古墳。
「バンバン調査すればいいじゃないか。何か面白いものが出てくるかもよ」と思う一方で、
古墳を「遺跡」とみなすか「お墓」とみなすかで心持ちも変わるような気がします。
ピラミッドや始皇帝陵はしっかりと発掘調査が行われていますが、とうの昔に王朝も替わり、遠い子孫がいる可能性はゼロではないでしょうが表立っていない以上、それらはもう「遺跡」なんだと思います。
万世一系、連綿と続いている、もしくは続いているとされている天皇家にとって、古墳は遺跡である前に先祖のお墓だよなぁと、ふと思うのです。
そう考えると、宮内庁の発掘調査への頑なな拒絶も、僕は納得がいきます。
"発掘調査≒墓荒らし"なのかもしれないから。
それでも宮内庁がその重い腰を上げた背景には、もしかするとユネスコ世界遺産登録に向けた布石という狙いがあるのかもしれません。その辺のロビー活動や政治の話には興味はありませんが。
日本最大の前方後円墳。
教科書に載っているのに、身近にあったのに、全く未知のもの。
楽しみです。本当に。
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