「おまかせします」
新しいカップが仲間入りしています。
久留米に工房を構える馬場勝文さんの作品です。
いつも楽しい時間を一緒に過ごしてくださるお客さまが、お世話になっている大好きな篠山のハクトヤさんに行かれるとのことで、
「何かひとつ、カップを買ってきてください」
とお遣いをお願いしました。
「いいよー、どの器を買ってきたらいいの?」
と訊かれたので、
「あ、おまかせします!」と。
素敵なカップを連れ帰ってくださいました。
もちろん、僕は「良いものを見つけてくれるはず」と、そのお客さまの感性を信頼してお願いしたわけですが、
昔から「誰かに選んでもらう」ことは、僕にとって好ましいお願い事です。
その原風景は、小学生の頃、2歳下の従妹が僕の誕生日プレゼントに選んでくれた、一枚のユニクロのTシャツ。
それは紫色のTシャツ。
自分で選ぶとしたら、当時の僕は紫色を手に取ることはありません。
でも従妹は、幼いなりに「何をあげたら喜ぶか」を考えながら選んでくれたのでしょうし、結果として紫色を選んだのは彼女の感性。
従妹の想いと、僕とは異なる感性が、以後の僕に紫色という新しい選択肢を与えてくれた。
だから、「僕なら選ばないな」というものこそ大切にしたい。他者の感性を取り込む、吸収する、地肉にする。
お客さまが連れ帰ってくださったこのカップも、僕なら選びません。
でも、それこそが僕が楽しみにしていたこと。
「おまかせします」という僕の言葉に驚いておられましたが、僕にとってもこのカップはサプライズ。
何よりも、あれだけ膨大な数の器を取り扱うハクトヤさんから、
「タテイトにはどれがいいかな〜」と悩みながら、このひとつのカップを手に取られた想いと出会いが嬉しいのです。
そういえば、ハクトヤさんのある篠山では、明日からササヤマルシェですね。
ハクトヤさんも「一年で一番忙しい時期」と仰ってましたし、当店のお客さまにもファンが多いイベントです。
残念ながら、今年で最後となるようです。
「いつか行ってみたい」と思っていましたが、「いつか」なんて言ってるとダメですね。
ササヤマルシェに行かれる皆さま、楽しんでください。
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