瓶の思い出
適当にパシャーッと撮ってスコーンと貼る日。
写真を撮るのもなんとなくですが、それよりもなんとなく窓際に空き瓶を置きました。
これはもう本当にどうしようもなく「ただの空き瓶」ですが、古い瓶は艶かしくて好きです。
厚みが一定でない、歪さがなんとなく淫靡。
アメリカで古くから保存容器として使用されるメイソンジャーという瓶があります。
一時期、80年ほど前のメイソンジャーを集めていたことがあるのですが、数年前にとある芸能人がサラダを入れて持ち運ぶ様子がインスタ映えするとかしないとかでブームとなってしまい、一気に熱が冷めてしまいました。
でも、古い瓶は収集癖をくすぐりますね。ロマンを感じます。
そういえば、学生の頃に講義を受けた先生が、「コーラの瓶がいかにセクシーか」を語るために丸々90分を費やしたことがありました。
もちろん、瓶についての講義ではありません。国際政治学の講義です。
先生曰く、あのフォルムはマリリン・モンローの形と同じなんだそうです。
今年になって友人から、その先生がすでに鬼籍に入られていることを聞かされました。
空き瓶を見ると、先生が「良い季節になってきました」と呟きながら講義室に入って来られる場面がありありと思い出されます。
小室先生、楽しい講義をありがとうございました。どうか安らかに。
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