蛙 into the 古池

古池や 蛙飛びこむ 水の音


この句を初めて教科書で見たとき、「静かな俳句だなー」と思ったことを覚えています。
無音の世界ではなく、水の音があるから静かなのだと思う。
スイカに塩をふると甘みが際立つのと同じ理屈。たぶん。


少し前のポストで、「最近出た曲はあまり聴いていない」というようなことを書きましたが、唯一聴くのは"world's end girlfriend"という人。
こんな名前ですが、ソロです。しかもオッサン。
レコーディングやライブで奏者やゲストを加えますが、基本一人。


初めて聴いたとき、「静かだな」と思いました。

ジャンルはポストロックとかエレクトロニカに入るのだと思います。
だから決して「音が少ない」わけではありません。むしろ音は多め。
でも、静かだと思いました。

"自然音と機械音"とか、"静と動"とか、"生と死"とか、相反するものの間をギリギリ攻めてくるような。
その間のぽっかりと空いた部分に音を置くような。
まさに「古池や〜」を想起しました。


生と死といえば、「古池」という言葉を"死の世界"の比喩だと解釈する向きもあるそうです。
そこに飛びこむ、蛙という生。
蛙は死んだのか、それとも古池に生を与えたのか。
まぁいいや、どっちでも。

タテイト珈琲店

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