50年
お客さまから頂戴するお代金。
タテイト珈琲店がお渡しするお釣り。
日々のサイクル。
その中で感覚に霧がかかることがあります。
水仕事で荒れた手に握った、二枚の百円玉。
一つには昭和43年、
もう一つには平成30年の刻印。
別にどうということはありません。
ただただ、50年前の硬貨とピカピカの硬貨を僕の右手が同時に握っていたというだけの話。
延べ何万人が手にした硬貨なのだろう。
初めて使った人は誰だったのだろう。
百円玉を握りしめると、幼い頃に祖母から百円を貰って駄菓子屋に行った記憶が蘇ります。
昭和43年の100円の価値は、今で言うとどのぐらいでしょうか。
おばあさんが孫にあげるお駄賃にしては高額でしょうか。
それでも、お駄賃がその硬貨の長い旅のスタートだったかもしれない。
そのときにこの百円玉を受け取った孫には、今頃孫がいるかもしれない。
孫に百円玉をこっそり握らせてあげているかもしれない。
50年という年月は、その程度の物語を作るには十分の長さです。
なんだかヴェルタースオリジナルのCMのような妄想になってしまいました。
人の手から手へ。流れ流れて、今、加古川。
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