旅をする木
本はそこそこ読んでいる方だと思っていましたが、
恥ずかしながら、この本と星野道夫さんを知ったのは数ヶ月前。
当店の設計を担当いただいた123archiの田中さんからこの本をプレゼントしてもらい、旅をする木に出会いました。
星野道夫さんのアラスカからのお手紙のような日記のようなエッセイ。
一話一話が短いので、コーヒーのお供に最高です。
読み進めていくと、とある一節に鉛筆で線が引かれていることに気づきました。
"私が東京であわただしく働いている時、その同じ瞬間、もしかするとアラスカの海でクジラが飛び上がっているかもしれない"
オープンから二週間と少し。
たくさんの旧友たちにお祝いを兼ねてご来店いただきました。
そのたびに、頭に浮かんだのがこの一節。
ひとまず僕は「加古川でコーヒーを淹れる」という道を選び、よちよちと歩き始めました。
僕が加古川でコーヒーを淹れている時、その同じ瞬間、
開店を祝いに来てくださった友人たちは、
大阪で、神戸で、京都で、東京で、福岡で、沖縄で、
皆それぞれ自分の役割を担い、暮らしているんだなと思いを馳せると、どこか勇気が湧きます。
同じ時間、同じ空の下。
もちろん、アラスカの海では今まさにクジラが飛び上がっているのかもしれません。
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