シンバルを打ち鳴らせ
数日前、夕と夜の間、青白い月。
店内の暖房から逃れたくて外の空気を吸いに行くと、電線の間に佇むように月が出ていました。
五線譜の上の音符のようにも見える。
以前、お客さまからロルカというスペインの詩人を教えていただきました。
何という題名の詩か忘れてしまいましたが、
沼の水面を見て詠まれた最後の一文に大きなショックを受けました。
うわぁ…って。
"夜よ、シンバルを打ち鳴らせ!"
野暮かと存じますが、僕が感じたことを。
空に鎮座する月と、沼に映る月は一対のシンバル。きっと満月でしょう。
そのシンバルを打ち鳴らすことができるのは、夜という魔人のみ。
詩の全文を知らないので解釈も何もあったもんじゃないけれど、その言葉を聞いて「すごいですね」としか答えられませんでした。
感動したとか素敵だと思ったとかそういうことではなくて、「ショックを受けた」という感覚が一番近い。
詩はさほど多く読んだことはありませんが、
詩はどれもある意味「説明不足」です。
その世界はいつも読み手に対して挑戦的。
スリルに満ち溢れています。
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