麒麟がくるらしいです

歴史小説は好んで読みますが、興味の幅は非常に狭い。

平安時代の平将門や木曾義仲、鎌倉時代なら楠木正成といった逆賊に惹かれます。

あとはもっぱら戦国時代です。

戦国時代と並んで人気の高い幕末には不思議なほど食指が動きません。

だから、恥ずかしながら新撰組が何をした人たちなのか、実はよく知らないのです。

司馬遼太郎も戦国時代モノばかり。

"国盗り物語"が一番好きなのですが、どこかに行ってしまいました。

当店にある司馬遼太郎は「関ヶ原」のみです。

NHK大河ドラマも、戦国時代を扱った作品だけは噛り付いて観ます。軍師官兵衛は本当に面白かった。

先日、再来年の大河ドラマが発表されましたね。

"麒麟がくる"、主演は長谷川博己。

「あー、シン・ゴジラの人ねー」なんて思いながら、題材はなんだろうと記事を読んでいると、なんと主役は明智光秀。

これにはビックリ、言葉にならないほど嬉しい。

僕は、主人公が誰であろうと、戦国時代を扱った大河ドラマの華は、

"敵は本能寺にあり"と、

"炎に包まれる本能寺で信長が舞う敦盛"だと思っています。

それらは大昔から数多の俳優が演じた、ある意味使い古された場面だからこそ、常に新鮮なのだと思います。

定番を演じるもよし、斬新に行くもよし。

この脚本家はどう描くのか、この俳優はどう演じるのか。

僕には好きな明智光秀が二人。

"利家とまつ"で萩原健一が演じた光秀と、

"軍師官兵衛"で金髪豚野郎こと春風亭小朝が演じた光秀。

萩原健一演じる、声の裏返ったいかにも神経質そうな怪演からは、本能寺に攻め入る直前の切迫した空気が伝わるようでした。

一方で、小朝演じる光秀から滲み出る、みるみるうちに精神的に追い詰められた結果として本能寺の変につながるという描写に説得力を感じました。

誰が主人公のドラマであっても必ず盛り上がる本能寺の変。

そのシーンが、"麒麟がくる"ではクライマックス中のクライマックスとしてきっと描かれるのでしょう。ぞくぞくします。

光秀以外のキャスト発表も楽しみです。

斎藤道三は、織田信長は誰だろう。

ちなみに、「乱」と「変」の違いについて。

乱は「ちょっとびっくりしたけど時代の大勢に影響が無かったもの」、

変は「その時代の政治・権勢に大きく作用した転換点となったもの」。

歴史学上の区分はもっと複雑で、上記は定義としては誤りなのですが、大体の乱と変はこれに当てはまるので覚えやすいかと思います。

"本能寺の変"は、まさに時の最高権力者が弑されたクーデター。

逆に、"大塩平八郎の乱"なんて、乱とも言えるのかなぁと。

確か二時間ほどで鎮圧されたんですよね、大塩さん。

ちょっとしたデモ程度の出来事なんじゃないかと思わないでもないですが、比較的安定した江戸時代では大きなインパクトだったということでしょうか。

分からぬし、解せぬ。