煮え切らない
夕焼けというほどでもない、数日前の夕暮れ。
天を朱く染めあげるでもなく、夜の黒に屈するでもなく。
煮え切らないこの空を見ていると、お客さまとのいつかの会話を思い出しました。
20代半ばのお客さまの、戸惑いと迷い。
志した道を順調に歩んでいるようには思うけれど、「なんだか違う」とも感じる日々。
なんとも言えない、「これでいいような、ダメなような」苦しみの吐露。
遅かれ早かれ、どれだけ順調な(あるいは順調に見える)人生を送っていたとしても、いずれは向き合うことだと思います。
僕だって、今だって。
「不惑」
言うまでもなく、孔子の「四十而不惑」から40歳を不惑と呼ぶようになったのですが、そのお客さまと話をしていると、なぜか不惑という言葉が脳裏を掠めました。
僕は30代、お客さまは20代。不惑はまだ先なのに。
孔子の「志学、而立、不惑、知命、耳順、従心」という言葉は、あくまで孔子の人生を表したものです。
孔子という2500年経った今も燦然と名を残す偉人ですら、逆に言えば40歳までは惑っていたんだなと。
ならば僕のような凡愚は生涯迷っていてもおかしくはないし、生きているうちに不惑となれれば御の字、ラッキーなんじゃないかと。
多くの自治体では、明後日が成人式でしょうか。
この空のようにどっちつかず、子供とも大人とも言えないハタチもいれば、僕の30数年の人生など及びもしない濃厚な20年を生きた方もいるでしょう。
もしかしたら、既に不惑の境地にいる方だって。
どちらにせよ、明後日、まるっと大人に。
今週も一週間、タテイト珈琲店の営業が無事終了いたしました。
皆さま、ご来店ありがとうございました。
また来週月曜日、成人の日よりお目にかかります。
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