石と結びと

先日、加古川市の隣、高砂市の「松下石材店採石加工場」にお邪魔しました。
お客さまが教えてくださった、今、貴重な体験ができる場所。

松下石材店さんでは現在、「結びの石彫シンポジウム in 高砂」という、国内外の作家さん6名による石彫の公開制作が開催されています。
開催中、誰でもいつでも無料で、石彫の制作過程を見ることができる。
作家さん、それも彫刻家さんの制作風景なんて、そうそう見られません。
ゴーグルの奥の眼差し、舞う粉塵。
石のまち、結びのまち、高砂。


この日はお二人の作家さんの制作風景に触れることができました。
白井翔平さんと、
西村大喜さん。
僕がまごまごしていると、気さくに話しかけてくださったお二人。

作品への想い、石彫への想い、石そのものへの想い。

写真の一枚目と二枚目は、白井さんの制作風景。
珊瑚のようにも見えるし、波で少しずつ侵食された磯にも見えるし、風にさらされた荒野の石にも見える。
"人間の手が石を削ることは、波や風が岩を侵食するのと同じ"
という白井さんの言葉は、人間も自然の一部であることを思い出させてくれます。

写真の三枚目は西村さんの作品。
見た目には石の質感は残りますが、触るとツルツル。
全貌を僕の写真でお見せするのは勿体ないと思い接写しましたが、"石でできたリボン"です。
"結び"という縁や再会をここで喜べるように、人が座れる作品になると仰っていました。
作品をただ眺めるだけでなく触れてほしい、そして感情も乗せてほしいという想いがスッと胸に入る。


お二人に触れ、思い出したこと。
古の高名な仏師の「仏像を作るということは、木を仏の形に彫るのではなく、木に宿る仏を取り出す作業である」という趣旨の言葉。
誰の言葉だったかも正確な文言も覚えていません。
どこかお二人の石彫にも通ずるような気がします。


催しは2月28日までとのことですが、作家さんのスケジュールや作品の進捗具合で不在になることもあるようです。
ご興味ありましたら、松下石材店さんに予めご確認ください。
最寄駅はJR宝殿駅になるようです。
僕は車で行きましたが、僕のように誤って生石神社に車ごと入らないようにお気をつけください。
カーナビがさ、生石神社に入れって言うもんだからさ…。
ご迷惑をおかけしました。

タテイト珈琲店

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