雨が2月を連れてくる

冷たい雨が1月を洗い流す。
明日から2月。今が一年で最も寒い時期でしょうか。
寒さは募れど、日は確実に長くなっていることを実感します。


毎年、二月はどんなことを思って暮らしていたのだろうと、日記を読み返していました。

大したことは書いていないけれど、3年前の2月1日の日記に妙な言葉がありました。

眠れぬ夜を過ごしたのでしょう。
"昨夜は変な眠り方だった。浅く長く眠ったような、でも時間的には長くない。砂漠の上をスーッとすべるように眠った"
と日記には書かれていました。

砂漠の上をスーッとすべるように眠る。
手前味噌ながら、これはなかなか。
と同時に、なぜ僕はこんな言葉を使ったのか。

砂漠はおろか鳥取砂丘にすら行ったことがないので、砂漠の何たるかを知るわけではありません。
でも、足を踏み入れるとズブズブと沈んでゆくようなイメージ。
沈んでゆくというのは、深い睡眠や質の良い眠りの比喩。
それを尻目に僕は砂上をすべる。
深い眠りはすぐそこにあるのに、掴めないもどかしさ。

この言葉が表出した背景は、こんな感じでしょうか。
3年前のことは覚えていません。
そして、今の僕からはこの表現は出ない。
何かが失われたようで残念だけれど、過去の自分が別人のように感じる瞬間は嫌いではありません。

日が少しずつ長くなるように、自分自身も少しずつ。

タテイト珈琲店

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